2008'04.28.Mon
2008'04.18.Fri
2008'04.13.Sun
「おい、椥。」
さっきから何度呼びかけても、椥はその肩を震わせて嗚咽を漏らすだけ。いい加減雪見も苛々してきて、背を向ける椥の肩を掴んで振り向かせる。
椥の頬には幾重もの涙の跡が残っていて、雪見は自分で振り向かせておきながら困惑した。赤くなった鼻がスンと啼いて、気まずさのあまり自分から目をそらす。
「…その、よ。」
うつむいて言葉を慎重に選ぶ雪見を、椥は鼻をスンスン言わせながら見守る。
考えろ俺、こういうときにかけるべき言葉は一体なんだ。
自分を叱咤しても、コレだという気の効いた言葉は思いつかない。
記者自慢のボギャブラリーをここぞというときに発揮できず、苛々しそうだった。
雪見が言葉選びに慎重になっている間に、椥は再び雪見に背を向けようとする。
「オイ!」
雪見は再び強引に椥を振り向かせ、今度は正面からしっかりと彼女を見据えた。
涙に濡れて少し腫れた瞳に自分が映りこんでいるのは不思議だ。いつもならこんな風に接近することなどないから。
「…あのな、」
椥の向こうでテレビが鳴っている。その音すらどこか遠くに聞こえるほど、自身の心臓の音が騒がしい。
「その、だな。」
大きな瞳がぱちぱちと瞬いて雪見を見据える。無垢に見えて全てを見透かしていそうな瞳に、雪見は言葉を詰まらせ…
「悪かった…。」
椥の肩をそっと押し戻し、今度は雪見が椥に背を向ける番だった。
背後で椥が何のことやら首をかしげているのが手に取るようにわかる。
(動物奇想天外を見て勝手に号泣してる椥になんで俺が謝らねーといけねーんだよ。)
とりあえず慰めたかっただけなのに。
雪見は心の中で己の駄目っぷりを嘆くのだった。
***********************
今日の動物奇想天外は本当やばかった。
マリの映画はまだ見てないのですが、是非見て見たいです。
にしても数年ぶりに見てこんなに泣かされるとは…やっぱり動物奇想天外はいい番組ですね。
さっきから何度呼びかけても、椥はその肩を震わせて嗚咽を漏らすだけ。いい加減雪見も苛々してきて、背を向ける椥の肩を掴んで振り向かせる。
椥の頬には幾重もの涙の跡が残っていて、雪見は自分で振り向かせておきながら困惑した。赤くなった鼻がスンと啼いて、気まずさのあまり自分から目をそらす。
「…その、よ。」
うつむいて言葉を慎重に選ぶ雪見を、椥は鼻をスンスン言わせながら見守る。
考えろ俺、こういうときにかけるべき言葉は一体なんだ。
自分を叱咤しても、コレだという気の効いた言葉は思いつかない。
記者自慢のボギャブラリーをここぞというときに発揮できず、苛々しそうだった。
雪見が言葉選びに慎重になっている間に、椥は再び雪見に背を向けようとする。
「オイ!」
雪見は再び強引に椥を振り向かせ、今度は正面からしっかりと彼女を見据えた。
涙に濡れて少し腫れた瞳に自分が映りこんでいるのは不思議だ。いつもならこんな風に接近することなどないから。
「…あのな、」
椥の向こうでテレビが鳴っている。その音すらどこか遠くに聞こえるほど、自身の心臓の音が騒がしい。
「その、だな。」
大きな瞳がぱちぱちと瞬いて雪見を見据える。無垢に見えて全てを見透かしていそうな瞳に、雪見は言葉を詰まらせ…
「悪かった…。」
椥の肩をそっと押し戻し、今度は雪見が椥に背を向ける番だった。
背後で椥が何のことやら首をかしげているのが手に取るようにわかる。
(動物奇想天外を見て勝手に号泣してる椥になんで俺が謝らねーといけねーんだよ。)
とりあえず慰めたかっただけなのに。
雪見は心の中で己の駄目っぷりを嘆くのだった。
***********************
今日の動物奇想天外は本当やばかった。
マリの映画はまだ見てないのですが、是非見て見たいです。
にしても数年ぶりに見てこんなに泣かされるとは…やっぱり動物奇想天外はいい番組ですね。
2008'04.08.Tue
真っ黒い髪と服は死神みたいだ、と誰かが言っていた気がする。
硬いフローリングの上で、闇に溶け込むようにして眠る宵風にブランケットをかけてやりながら、雪見はそんな言葉を思い出した。
「死神、ねぇ。」
死神は命を刈り取る神だ。けれども宵風は己の命を狩りとって、相手の命を狩ることもできれば、俄雨を助けたときのように生かす道に繋げることもできる。
それが果たして死神と言えようか。
「そもそも死神っていうのは、己の命を削ったりしないですもんね?」
唐突に背中からかかる声に雪見は一瞬驚いて、けれどもすぐさま馴染みのある顔を連想して振り向きもしなかった。
宵風よりも気まぐれな来訪者は、宵風が眠る向かいのソファにゆったりと腰を降ろし、宵風と雪見を交互に見て、笑う。
一体何が面白いのか雪見には理解できなくて、少し居心地が悪い。
「こんな時間に来ていいのかよ。」
「生憎私には、夜出歩いたら叱ってくれるような親がいなくって。」
そんな寂しいことを言われたら追い返そうにも追い返せなくなるではないか。
早く家に帰れと続けようとしていた雪見は、予想外の切り返しに押し黙るしかなかった。
家に入ってきたときもまったく気配が無かったし、飯綱心眼で心を読んだかのような発言をしたり…。彼女の行動は下忍より遥かに優れた忍のものだ。これで一般人を主張しているのだから、にわかに信じがたい。
何処かの勢力のスパイかと疑ったこともあったが、どの勢力に対してもこの飄々とした態度を崩さず渡り歩いている所を見る限り、一般人というのはまだ信じられないが、何処かの勢力についているわけではなさそうだ。
だからスペアキーを渡す気になれたんだ、とある日雷光に言ったら、「建前はそうですが本音は別のところにあるでしょう。」と意味深な笑みと発言を返された。
その食えない反応に腹が立って一発デコピンをかまそうとしたら逆に鞘で小突かれたのは嫌な記憶だ。
「生憎ここはこの死神と小悪魔小僧で手一杯なんだ。これ以上居候は増やせねえぞ。」
「雪見さん冷たいです。」
「お前な…少しは警戒って言葉を知ったほうがいいと思うぜ。」
深夜、一つ屋根の下に血の繋がらない若い男女が居る。
年齢が離れているといっても、過ちが起きないとは言い切れない状況だ。
「雪見さんが私を襲うんですか?」
「襲ってやろうか。」
「ロリコンですか?」
「お前ロリコンって年じゃねぇだろが。」
すらりと伸びた手足。掴めば壊れてしまいそうな細い肩と腰。背中に伸びた綺麗な髪。あどけない子どものように笑うこともあれば、驚くほど大人の表情を見せることもある。
子どもと大人の間を揺れ動く年頃は、もはやロリコンには当てはまらない。少し年の差はあるが、十分恋愛対象として捉えられる。
けれども目の前の少女は、そんなことは絶対起こらないと確信している。
だから煽るような発言が出来るのだ。
今ココでそれを覆すようなことをしたら、一体どんな反応をするのだろうか。少し興味がわいて、所詮悪ふざけだと自分に言い聞かせ、ソファの上に座る少女に、覆いかぶさる。
「何ですか?」
「さぁ、なんだろうな。」
唇と唇の距離はあと20センチほど。だんだんそれを近づけて、あと10センチ、5センチ―――。
けれども少女はピクリともしない。
その大きな瞳をぽかんと見開いて呆けている。
このまま唇が触れても、それは変わらないのだろうか。
「―――雪見さん。」
5センチから更に近づき始めようとした瞬間、椥は口を開いた。
「レモネード。」
「あ?」
「レモネード飲みたい。」
あと少し黙っていればお互いの距離はゼロになってキスしていたのに。ここで予想外のレモネード飲みたい発言に、思わず舌打ちがもれる。
けれども悪ふざけ前提だったことを思い出して、深みにはまろうとしていた自分に頭をかきむしりたくなった。
冷蔵庫からレモンを取り出して輪切りにし、このまま口の中に押し込んでやろうかと考える。でもそれはさすがに酷いかと思い、注文されるままにレモネードを作ってソファまで運べば、椥はレモネードを待たずして眠りについている。
「飲む前に寝るなよ。」
せっかく作ったのに。
文句を垂れても返事はない。
労力の無駄遣いをさせるなと愚痴をこぼして、ふと思いつく。
宿代も、このレモネードを造った労力代も、もらっていない。
もちろんそんなもの普段は取ろうとも思わないが、このときは何故かそんなことを思いついた。
「こんな時間に来たお前が悪い。」
違う。本当は大人になれない自分が悪い。椥に非は無い。
けれどもそんなことは考えないようにして、眠る少女の唇に噛み付くようなキスを一つ。
それが宿代とレモネード代より高いか安いかは、雪見のみぞ知る。
硬いフローリングの上で、闇に溶け込むようにして眠る宵風にブランケットをかけてやりながら、雪見はそんな言葉を思い出した。
「死神、ねぇ。」
死神は命を刈り取る神だ。けれども宵風は己の命を狩りとって、相手の命を狩ることもできれば、俄雨を助けたときのように生かす道に繋げることもできる。
それが果たして死神と言えようか。
「そもそも死神っていうのは、己の命を削ったりしないですもんね?」
唐突に背中からかかる声に雪見は一瞬驚いて、けれどもすぐさま馴染みのある顔を連想して振り向きもしなかった。
宵風よりも気まぐれな来訪者は、宵風が眠る向かいのソファにゆったりと腰を降ろし、宵風と雪見を交互に見て、笑う。
一体何が面白いのか雪見には理解できなくて、少し居心地が悪い。
「こんな時間に来ていいのかよ。」
「生憎私には、夜出歩いたら叱ってくれるような親がいなくって。」
そんな寂しいことを言われたら追い返そうにも追い返せなくなるではないか。
早く家に帰れと続けようとしていた雪見は、予想外の切り返しに押し黙るしかなかった。
家に入ってきたときもまったく気配が無かったし、飯綱心眼で心を読んだかのような発言をしたり…。彼女の行動は下忍より遥かに優れた忍のものだ。これで一般人を主張しているのだから、にわかに信じがたい。
何処かの勢力のスパイかと疑ったこともあったが、どの勢力に対してもこの飄々とした態度を崩さず渡り歩いている所を見る限り、一般人というのはまだ信じられないが、何処かの勢力についているわけではなさそうだ。
だからスペアキーを渡す気になれたんだ、とある日雷光に言ったら、「建前はそうですが本音は別のところにあるでしょう。」と意味深な笑みと発言を返された。
その食えない反応に腹が立って一発デコピンをかまそうとしたら逆に鞘で小突かれたのは嫌な記憶だ。
「生憎ここはこの死神と小悪魔小僧で手一杯なんだ。これ以上居候は増やせねえぞ。」
「雪見さん冷たいです。」
「お前な…少しは警戒って言葉を知ったほうがいいと思うぜ。」
深夜、一つ屋根の下に血の繋がらない若い男女が居る。
年齢が離れているといっても、過ちが起きないとは言い切れない状況だ。
「雪見さんが私を襲うんですか?」
「襲ってやろうか。」
「ロリコンですか?」
「お前ロリコンって年じゃねぇだろが。」
すらりと伸びた手足。掴めば壊れてしまいそうな細い肩と腰。背中に伸びた綺麗な髪。あどけない子どものように笑うこともあれば、驚くほど大人の表情を見せることもある。
子どもと大人の間を揺れ動く年頃は、もはやロリコンには当てはまらない。少し年の差はあるが、十分恋愛対象として捉えられる。
けれども目の前の少女は、そんなことは絶対起こらないと確信している。
だから煽るような発言が出来るのだ。
今ココでそれを覆すようなことをしたら、一体どんな反応をするのだろうか。少し興味がわいて、所詮悪ふざけだと自分に言い聞かせ、ソファの上に座る少女に、覆いかぶさる。
「何ですか?」
「さぁ、なんだろうな。」
唇と唇の距離はあと20センチほど。だんだんそれを近づけて、あと10センチ、5センチ―――。
けれども少女はピクリともしない。
その大きな瞳をぽかんと見開いて呆けている。
このまま唇が触れても、それは変わらないのだろうか。
「―――雪見さん。」
5センチから更に近づき始めようとした瞬間、椥は口を開いた。
「レモネード。」
「あ?」
「レモネード飲みたい。」
あと少し黙っていればお互いの距離はゼロになってキスしていたのに。ここで予想外のレモネード飲みたい発言に、思わず舌打ちがもれる。
けれども悪ふざけ前提だったことを思い出して、深みにはまろうとしていた自分に頭をかきむしりたくなった。
冷蔵庫からレモンを取り出して輪切りにし、このまま口の中に押し込んでやろうかと考える。でもそれはさすがに酷いかと思い、注文されるままにレモネードを作ってソファまで運べば、椥はレモネードを待たずして眠りについている。
「飲む前に寝るなよ。」
せっかく作ったのに。
文句を垂れても返事はない。
労力の無駄遣いをさせるなと愚痴をこぼして、ふと思いつく。
宿代も、このレモネードを造った労力代も、もらっていない。
もちろんそんなもの普段は取ろうとも思わないが、このときは何故かそんなことを思いついた。
「こんな時間に来たお前が悪い。」
違う。本当は大人になれない自分が悪い。椥に非は無い。
けれどもそんなことは考えないようにして、眠る少女の唇に噛み付くようなキスを一つ。
それが宿代とレモネード代より高いか安いかは、雪見のみぞ知る。
2008'04.07.Mon
さてさてついにアニメ放送開始ですね!
実は私、最初はアニメの放送って3月からだと思い込んでたんですよ。
4月を3月と勘違いしてたんです。←馬鹿だから3月に隠部屋を追加したのですが、あれからもう1ヶ月経ったんですね…早い。
私が住んでいる市はテレビ瀬戸内の電波がぎりぎり届かない場所に居るので、残念ながら生放送は見れませんorz
よってニコ動でチェック!
既に1話UPされちゃってますよ!ウッホリっ!!!エコノミーなのが残念。
とりあえず驚いたことが、十字ちゃんの髪が緑だったこと…。
ピンクだと思い込んでたので相当驚愕しました。
確かに原作のほうでも緑のイラストあった気はするんですけどね。
思い込みって恐ろしい。
それから声優さんに関してなんですが、私的に壬晴ボイスは越前リョーマっぽいのを連想していたので、ちょっと高すぎるように感じました。
不良アルフォンスですね。でもまぁ、許容範囲です。
帷先生は…契約のシーンで声が変わったのに驚きました。あれはあえて変えたのかな…。もう少し高めでもいいかと思いますが、まぁ適任かと思われます。
一番ショックだったのは
虹一…の…声…が…
なんか、ね?その……
orz
がんばって慣れますl||li _| ̄|○ il||l
来週は雷鳴ちゃん登場ですね。
今から楽しみでたまりませんハァハァハァ(ry
しかし実のところ、隠の王で一番好きな女の子はしじま。
果たしてあの展開の速さでアルヤ編までやってくれるかどうか…。
アルヤまで行かないと虹一の美味しい設定が生かされないし、かといってアルヤで終わるとこれまた虹一の美味しい設定が中途半端に終わってしまうし。
もう、この際オリジナルストーリー挟んでもいいので、話を伸ばして伸ばして伸ばしまくり、軸は原作に忠実にお願いしたいところです。
アニメスタッフさんどうかお願いしますね(土下座
先日から虹一の過去話をこっそり執筆中。
いつUPできるかは分かりませんが。
思いっきり捏造エピソードなんで、UPするのためらってます。
読みたい方は果たしていらっしゃるでしょうか。
実は私、最初はアニメの放送って3月からだと思い込んでたんですよ。
4月を3月と勘違いしてたんです。←馬鹿だから3月に隠部屋を追加したのですが、あれからもう1ヶ月経ったんですね…早い。
私が住んでいる市はテレビ瀬戸内の電波がぎりぎり届かない場所に居るので、残念ながら生放送は見れませんorz
よってニコ動でチェック!
既に1話UPされちゃってますよ!ウッホリっ!!!エコノミーなのが残念。
とりあえず驚いたことが、十字ちゃんの髪が緑だったこと…。
ピンクだと思い込んでたので相当驚愕しました。
確かに原作のほうでも緑のイラストあった気はするんですけどね。
思い込みって恐ろしい。
それから声優さんに関してなんですが、私的に壬晴ボイスは越前リョーマっぽいのを連想していたので、ちょっと高すぎるように感じました。
不良アルフォンスですね。でもまぁ、許容範囲です。
帷先生は…契約のシーンで声が変わったのに驚きました。あれはあえて変えたのかな…。もう少し高めでもいいかと思いますが、まぁ適任かと思われます。
一番ショックだったのは
虹一…の…声…が…
なんか、ね?その……
orz
がんばって慣れますl||li _| ̄|○ il||l
来週は雷鳴ちゃん登場ですね。
今から楽しみでたまりませんハァハァハァ(ry
しかし実のところ、隠の王で一番好きな女の子はしじま。
果たしてあの展開の速さでアルヤ編までやってくれるかどうか…。
アルヤまで行かないと虹一の美味しい設定が生かされないし、かといってアルヤで終わるとこれまた虹一の美味しい設定が中途半端に終わってしまうし。
もう、この際オリジナルストーリー挟んでもいいので、話を伸ばして伸ばして伸ばしまくり、軸は原作に忠実にお願いしたいところです。
アニメスタッフさんどうかお願いしますね(土下座
先日から虹一の過去話をこっそり執筆中。
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