2007'08.27.Mon
白い練乳アイスが溶けて指に滴る。
慌てて舐め取ると、やけに痛いほどの視線を感じた。
「…なん、ですか…?」
痛いほどの視線を送ってくるのは真弘先輩。
私の一つ上でありながら背は少し小さい。ちなみに背のことを言ったら怒られるから、口にしないのが決まりごと。
小さい癖して人一倍態度だけはでっかくて、周りから「身長のための栄養が全て態度に回ってるんじゃないの?」なんていわれるくらいだ。
でも、でかい態度に比例して、いろんな面で頼りになる。
口先だけじゃなく、ちゃんと実力が伴っているから、そこは素直に尊敬している。
守護者の一人である先輩は、嬉し恥ずかしながら、私の恋人だ。
守護者兼先輩にして恋人である真弘先輩は、さっきから穴が開くほど私のことをガン見していた。
私というか、指に滴る乳白色の溶けたアイスを。
先輩は先にアイスを食べ終えて、木製の平べったい棒が一本ゴミ箱の中に入っている。
食べ物に関しては私よりも執着心の強い先輩のことだから、欲しいのだろうか。
「食べます?」
真弘先輩は一瞬ピクリとこめかみを引きつらせたけど、何を思ったのかスーッと寄ってきて差し出した私の腕を強く掴んだ。
そして、強引に口元にアイスを運ぶ。
と思ったら、
「っ…!!!」
ねっとりとした暖かい何かが指にまとわり付いて、思わずびっくりする。
慌てて手を引っ込めようとしても、真弘先輩が手を掴んでいるせいで動かせない。
見れば、先輩の猫のようにザラリとした小さな舌が私の指をゆっくりと舐めていた。
目も覚めるように赤いそれは生暖かくて、私の冷えた指先をチリリと焦がす。
指先から甘い痺れが全身に伝わって、鼓動が早くなるのが分かった。
「せ、せんぱいっ」
「お前、俺が食べ物のことしか考えてないって思ってるだろ。」
「そういうわけ、じゃ…ひゃっ…!」
今にも溶け落ちてしまいそうなアイスの棒は先輩の手に渡る。
あとちょっとでアイス本体が全部棒から落ちそうだという寸前で、ブドウを入れた涼しげな器に突っ込まれた。
なんとかアイスが畳の上に落ちるのは免れたけど、先輩は私の手を舐めることをやめない。
指先からツツ…と下りて、指と指の間を舐められた途端、甘い痺れが強く体を震わせた。
息が詰まって、腰の辺りがむずむずしてくる。
今日は夏休みの宿題で分からないところを先輩が教えてくれる予定だったのに、コレじゃあ勉強どころか…身が危ない。
「俺が、一体どういう気持ちでお前を見てたか分かるか?」
「わ、分かりません…。」
アイスを欲しがっているようにしか見えなかった、なんて言ったらそれこそ怒られてしまう。
答えられない私を責めるように、舌が執拗に指を舐める。
溶けたアイスはすっかり舐め取られてしまって、もう舐めるものなんて無いはずなのに。
真弘先輩は暫く私の指の味を堪能した後、小さくため息を付いて、ポツリと漏らした。
「お前がアイスを舐め取ってる姿がエロくて、押し倒しそうになるのを必死に我慢してたんだっつーの。」
「…へ?」
「なのにお前は『食べます?』だぞ?俺が必死に我慢してるのに、何も分かってない顔で『食べます?』だぞ!?」
やけに真剣な翡翠の瞳が、目の前に来る。
背中に畳の硬さを感じて、押し倒されたのだと気づくまで、少し時間がかかった。
常人よりも少しだけ鋭利な小さい歯の隙間から、赤い舌がちらつく。
唇が、音もなく言葉をつむいだ。
「望みどおり、くってやる。」と。
慌てて舐め取ると、やけに痛いほどの視線を感じた。
「…なん、ですか…?」
痛いほどの視線を送ってくるのは真弘先輩。
私の一つ上でありながら背は少し小さい。ちなみに背のことを言ったら怒られるから、口にしないのが決まりごと。
小さい癖して人一倍態度だけはでっかくて、周りから「身長のための栄養が全て態度に回ってるんじゃないの?」なんていわれるくらいだ。
でも、でかい態度に比例して、いろんな面で頼りになる。
口先だけじゃなく、ちゃんと実力が伴っているから、そこは素直に尊敬している。
守護者の一人である先輩は、嬉し恥ずかしながら、私の恋人だ。
守護者兼先輩にして恋人である真弘先輩は、さっきから穴が開くほど私のことをガン見していた。
私というか、指に滴る乳白色の溶けたアイスを。
先輩は先にアイスを食べ終えて、木製の平べったい棒が一本ゴミ箱の中に入っている。
食べ物に関しては私よりも執着心の強い先輩のことだから、欲しいのだろうか。
「食べます?」
真弘先輩は一瞬ピクリとこめかみを引きつらせたけど、何を思ったのかスーッと寄ってきて差し出した私の腕を強く掴んだ。
そして、強引に口元にアイスを運ぶ。
と思ったら、
「っ…!!!」
ねっとりとした暖かい何かが指にまとわり付いて、思わずびっくりする。
慌てて手を引っ込めようとしても、真弘先輩が手を掴んでいるせいで動かせない。
見れば、先輩の猫のようにザラリとした小さな舌が私の指をゆっくりと舐めていた。
目も覚めるように赤いそれは生暖かくて、私の冷えた指先をチリリと焦がす。
指先から甘い痺れが全身に伝わって、鼓動が早くなるのが分かった。
「せ、せんぱいっ」
「お前、俺が食べ物のことしか考えてないって思ってるだろ。」
「そういうわけ、じゃ…ひゃっ…!」
今にも溶け落ちてしまいそうなアイスの棒は先輩の手に渡る。
あとちょっとでアイス本体が全部棒から落ちそうだという寸前で、ブドウを入れた涼しげな器に突っ込まれた。
なんとかアイスが畳の上に落ちるのは免れたけど、先輩は私の手を舐めることをやめない。
指先からツツ…と下りて、指と指の間を舐められた途端、甘い痺れが強く体を震わせた。
息が詰まって、腰の辺りがむずむずしてくる。
今日は夏休みの宿題で分からないところを先輩が教えてくれる予定だったのに、コレじゃあ勉強どころか…身が危ない。
「俺が、一体どういう気持ちでお前を見てたか分かるか?」
「わ、分かりません…。」
アイスを欲しがっているようにしか見えなかった、なんて言ったらそれこそ怒られてしまう。
答えられない私を責めるように、舌が執拗に指を舐める。
溶けたアイスはすっかり舐め取られてしまって、もう舐めるものなんて無いはずなのに。
真弘先輩は暫く私の指の味を堪能した後、小さくため息を付いて、ポツリと漏らした。
「お前がアイスを舐め取ってる姿がエロくて、押し倒しそうになるのを必死に我慢してたんだっつーの。」
「…へ?」
「なのにお前は『食べます?』だぞ?俺が必死に我慢してるのに、何も分かってない顔で『食べます?』だぞ!?」
やけに真剣な翡翠の瞳が、目の前に来る。
背中に畳の硬さを感じて、押し倒されたのだと気づくまで、少し時間がかかった。
常人よりも少しだけ鋭利な小さい歯の隙間から、赤い舌がちらつく。
唇が、音もなく言葉をつむいだ。
「望みどおり、くってやる。」と。
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